【ITコンサル】ITコンサルティング業界のリアル:メリット・デメリット、適性を徹底解説

以下の記事では、ITコンサルティング業界の職種と、それぞれの業務内容について説明しました:

では、ITコンサルティング業界において、どのような人がこの業界に向いているのか、また、業界の課題や働き方についてご紹介します。

ITコンサルティング業界への転職を考えている方や新卒の方にお役に立てればと思います。

ITコンサルティング業界のメリットとデメリット

ITコンサルティング業界って何をしてるの?」という記事では、ITコンサルティング業界の業務形態がプロジェクトベースであることを説明しました。具体的にプロジェクトベースで業務を進めるITコンサル業界の働き方のメリットとデメリットについて、以下にご紹介します。

メリット

個人的には、ITコンサルティング業界のメリットとして以下の4点です:

  1. キャッチアップ能力を鍛えることができる
  2. 様々な業界の経験を積むことができる
  3. 人間関係が比較的楽
  4. 変化が多く、飽きることがない

キャッチアップ能力を鍛えることができる

ITコンサルティング業界では、プロジェクトベースで業務を進めるので、プロジェクトメンバーはプロジェクトの契約終了や予算削減によってリリースされます。

前のプロジェクトからリリースされ、新しいプロジェクトにアサインされる際には、また新しいプロジェクトの仕事内容や組織体制、クライアントの業務内容を理解し、学習する必要があります。場合によっては、新しいスキルを習得することも求められます。

このように、1つの業務を続けるのではなく、異なるプロジェクトにアサインされるたびに新しい業務内容やスキルをキャッチアップするので、多くのプロジェクトを経験することで、キャッチアップ能力が向上します。

様々な業界の経験を積むことができる

プロジェクトごとに異なる業界のクライアントの仕事を経験できることが、ITコンサルティング業界の特徴の一つです。同じ業界のクライアントでも、会社が違えば業務内容が異なる場合があり、さらには同じ会社内であっても部署が違っていれば、業務内容が全く異なります。

こうした違うプロジェクトに配属されることで、様々な業界や会社の業務内容を経験するとともに、多様なスキルや豊富な経験を身につけることができます。

人間関係が比較的楽

ITコンサルティング業界の働き方は基本的にはプロジェクトベースなので、同じプロジェクトに苦手な人や相性の悪い人がいても、プロジェクトにアサインされている期間中に我慢すれば良いです。また、プロジェクトマネージャーに相談してプロジェクトから抜けることも可能です。

苦手な人とずっと一緒に働いているわけではないので、人間関係は比較的に楽と言えます。

変化が多く、飽きることがない

これもプロジェクトベースの利点と言えます。様々なクライアントの業務内容を経験できるし、プロジェクトにアサインされるたびにキャッチアップして新しいことをキャッチアップし、学習する機会が得られるので、仕事に飽きにくいです。

また、クライアントの新しい要望やリクエストは常に上がってくるので、それをどのように実現するかを考えたり、状況に応じて納品の締め切りをどのように交渉するかを工夫する必要があります。こうした理由から、変化が多く、常にチャレンジングな環境と言えます。

ただし、長期プロジェクトにアサインされると、飽きを感じることもあります。その場合は、プロジェクトマネージャーと交渉することで、プロジェクトから抜けることも可能です。

デメリット

  1. 人事評価の基準が不明確
  2. 専門性を磨くことが難しい
  3. スケジュールが不安定
  4. 人材の質にばらつきがある

人事評価の基準が不明確

基本的に、人事評価を決めて昇進や昇格を判断するのは部署のリーダーですが、ITコンサルティング業界ではプロジェクトベースで業務を進めるので、部署のリーダーと同じプロジェクトにいない場合、評価がされにくい傾向があります。

その結果、昇進や昇格の評価において客観的な基準がかなり難しいです。真面目な部署のリーダーであればプロジェクトマネージャーと連携して正確に評価することもありますが、好き嫌いで判断することもあります。

専門性を磨くことが難しい

プロジェクトベースなので、プロジェクトにアサインされると、必ずしも自分が望むスキルだけを習得できるわけではありません。その結果、経験を積みたい分野や一途に学び続けたい分野で、長期間活動することが難しいです。

さらに、プロジェクトの仕事内容は非常に不安定です。たとえ最初の仕事内容が興味のあるものだったとしても、プロジェクトが進むにつれてクライアントの要望に応じた変更が重なり、徐々に本来の仕事内容から乖離してしまうことがしばしばあります。そのため、スキル形成には障害となることがあります。

実際、私の同僚や他社の知り合いの中には「データサイエンティストとして活躍したい!」と考えてITコンサルティング会社に入社したが、関連する案件が全くなく、最終的には未経験分野のプロジェクトに配属されました。

スケジュールが不安定

プロジェクトベースの仕事では、クライアントの要望に応じて緊急対応が必要になることがあります。このため、繁忙期には非常に忙しくなり、たまには夜明けまで働かなければならない状況も発生します。一方で、閑散期には一週間ほどタスクが全くないこともあります。

また、オフショア開発で海外の方と連携してプロジェクトを進行することが多く、深夜に作業や会議をを行う場合もありますので、自分でスケジュールをコントロールできないことが多いです。

人材の質にばらつきがある

ITコンサルティング業界は、人材の流動性が高いので、人材流出と流入のバランスを保つために採用活動が積極的に行われますすが、優秀な人材は必ずしも常に採用できるわけではありません。

人事が人材流動のバランスを優先して採用活動を行う場合、未経験者を採用するケースが増える傾向があります。実際、大型プロジェクトのために大量の未経験者を採用した事例も存在します。

ITコンサルティング業界に向いている人&向いていない人

ITコンサルに向いている人の特徴

ITコンサルティング業界に向いている人は以下の特徴を持つ人だと思います:

  • 特定の分野にとらわれず、幅広い技術に触れることを楽しめる人
  • 呑み込みが早く、キャッチアップ能力がある人
  • 長時間労働や長期間の勤務にも対応できる忍耐力がある人
  • 自ら考え、主体的に行動できる人
  • 不安定なスケジュールにも柔軟に対応し、冷静に行動できる人

ITコンサルに向いていない人の特徴

一方で、ITコンサルティング業界に適性がない人の特徴として、以下が挙げられます:

  • 特定の分野やスキルに集中して経験を積みたい人
  • 安定したスケジュールで働くことを重視する人
  • 自社プロダクトの開発に携わりたい人
  • 変化の少ない労働環境で働きたい人

ITコンサルティング業界の課題

近年、日本企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を進めるに伴い、ITコンサルティング業界の案件は増加してきました。しかし、DX推進が成熟し、クライアントの対応も次第に安定してくるにつれ、ITコンサルティングファームと契約を結びたい企業は減少傾向にあります。それに伴い、業界が取得できる案件も当然ながら減少しています。

案件不足の状況では、次のプロジェクトにアサインされていない「アベイラブル」の状態の従業員が増加する傾向があります。「アベイラブル」とは、プロジェクト間の待機期間や、新しいプロジェクトの準備期間にある「利用可能」な状態を指します。この状況が長期化すると、会社の業績悪化や、従業員の不安の高まりによる士気低下を招く可能性があります。

実際、近年のITコンサルティング業界は不況に直面しており、アベイラブル状態の従業員が増えている現状があります。そのため、業界への転職や新卒採用で入社した場合でも、仕事がない状態に陥るリスクがあります。

このような状況下で、いかにクライアントに適切なITソリューションを提案し、新たな契約を獲得するかが、業界全体における重要な課題となっています。

まとめ

この記事では、ITコンサルティング業界のメリット、デメリット、向いている人・向いていない人の特徴、ITコンサルティング業界が直面している課題について紹介しました。

ITコンサルティング業界への転職を検討している方や、新卒での就職を目指している方にとって、参考になる内容になっていればと思います。

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